「自由」の考察

「自由」とは何かについて色々な側面から考察していきます。

人間と動物の違い

人間と動物の違いは何でしょうか?

 

 

例えば、お腹が空いている時の対応を野生のライオンと人間で比較してみます。

ライオンの場合、目の前に獲物が現れた時、おそらくその獲物にすぐ襲いかかります。

一方、人間はお腹が空いてる時に、コンビニに置いてあるおにぎりや弁当にすぐ飛びついて食べません。一般的には、食べたいものをレジに持って行き、お金を支払ってから食べます。

なぜそのような違いが生じるのでしょうか。

 

もし、お金を払わずに食べてしまったら、警察に捕まってしまうとか、周りから白い目で見られるなど今後起こるであろう出来事を想像します。未来を気にせず現時点だけで判断するのであれば、すぐにおにぎりを食べる方が得策です。しかし、未来を考えるとお金を払わず食べることはデメリットの方が大きく、そのためいくらお腹が空いていても、レジでお金を払うという行為を人間は行うのです。

動物は視覚・聴覚などの5感による現在の情報を頼りに行動を起こしますが、人間はそれに加えて未来や過去の情報を参考にして行動することができます。

では、動物園や水族館で芸ができる動物はどうでしょうか。調教された動物は、餌を食べることとは直接関係のない行動をして報酬を手にします。それは、芸をすれば餌を食べれるという過程を何度も経験したことで獲得したものです。(心理学では「オペラント条件づけ」と言います)

野生動物と比べるとすぐに餌に飛びつかずに待つことができるので、人間に近い行動をしていますが、これは何度も経験しないと身につけられません。人間がもしその動物と同じ思考しか出来ないとすると、無銭飲食した時は警察に捕まりひどい目に合う、お金を払うと何も起こらず食べれるという経験を繰り返すことで、食べたいものはお金を払わないといけないと学習できます。

しかし、多くの人間は無銭飲食して罰を受けたことがないにも関わらず、お金を払って食事できます。それは、経験していないことも想像することで実際に行動移さなくてもいけないことだと学習できるのです。

 

まとめると過去・現在・未来の3軸のうち、野生動物は現在の1軸、調教された動物は過去・現在の2軸、人間は過去・現在・未来の3軸をもとに思考すると考えられます。

 

以前、三次元アリについて記事を書きましたが、次元は上がることで自由度が増します。思考にも同じことが言えて、過去・現在・未来の3つの次元があることで思考できる範囲が広がり、より高度な思考が可能です。

私たちは、空を飛ぶことも、宇宙に行くことも、未来や過去にタイムスリップすることも思考の中では容易に行えます。その想像力が科学を発展させ、人間の繁栄につながったのです。