「自由」の考察

「自由」とは何かについて色々な側面から考察していきます。

ワンピースとフェルマーの最終定理 考察1

日本を代表する人気マンガのワンピース。物語も後半に差し掛かり、今後の展開が気になるところです。ルフィーは「この海で一番自由な奴が海賊王だ」と言っており、「自由」が重要なテーマになると考えています。

 

ワンピースの世界は、レッドラインとグランドラインにより4つの海に分断されており、それらの海を行き来することは困難です。海賊に支配されているという不自由さに加えて、地理的な状況を見ても現在のワンピースの世界は不自由な状況です。最終話では、おそらくそれらの4つの海が一つになり、ワンピース(1つのピース)になり、ピース(平和)が訪れるのでしょう。

 

その鍵となるのがグランドラインの最終地点であるラフテルですが、海賊王のゴール・D・ロジャー以外未だ到達することができていません。ロジャーがラフテルを発見してから何年も経っていますが、その間、四皇として君臨してきた海賊たちも到達することができていません。

もちろんマンガなので、ロジャーの次にラフテルに到達するのは主人公のルフィーでないと話が盛り上がらないのでしょうが、なぜ四皇などの他の海賊がラフテルに到達できずワンピースを手にできないのか考えていきたいと思います。

 

ラフテルに到達するには、4つのロードポーネグリフを全て解読する必要があります。では、その4つのロードポーネグリフを解読すれば、ラフテルにたどり着くことができるのでしょうか?おそらく、そんな単純なことではないでしょう。

 

ワンピースを読んでいて感じたことは、フェルマーの最終定理が証明された過程に似ているということです。

フェルマーの最終定理は、数学者フェルマーが「私はこの定理について真に驚くべき証明を発見したが、ここに記するには、余白がせますぎる」という言葉を残して、この世を去ってしまい、その後300年以上証明されなかった難問の一つです。

ロジャーが最後に残した「探せ、この世の全てをそこに置いてきた」という言葉と重なるところがあります。

 

フェルマーの最終定理に世界中の天才が幾度もその難問に挑戦するも皆証明することはできませんでした。そして、月日が流れ、アンドリュー・ワイルズがその難問をついに証明したのです。フェルマーとワイルズの関係は、ロジャーとルフィーの関係に似ています。(ちなみにモンキー・D・ルフィ、ゴール・D・ロジャーともにミドルネームがDですが、フェルマーもピエール・ド・フェルマー(Pierre de Fermat)とDの名が付いています)

 

では、ワイルズは多くの数学者が挫折したその難問をどのように攻略したのでしょうか。そこには様々な理論が関わっています。モジュラー形式、モーデル予想、谷村―志村予想、フライ・セール予想など。それらの理論をつなぎ合わせることでフェルマーの最終定理にたどり着きました。グランドラインの島々を一つずつ辿って最終地点であるラフテルに到達するという過程と似ています。しかも、最初はそれぞれ違う島から出発しても最終的に辿り着くところが一緒だというところは、数学の証明の過程は幾通りも存在するところに似ています。

 

数学の難問を証明するためには、論理的な思考が不可欠です。ワンピースでいうとより強い力が必要です。しかし、それだけでは証明できないからこそ多くの数学者を悩ませたのです。

では、他に何が必要なのでしょうか?

 

それについては次回お話したいと思います。